バースプランを考えてみよう!!

妊娠生活

バースプランは、出産に対する希望や要望をまとめた計画書のことです。妊婦さんとパートナーが出産について考え、医療スタッフに自分たちの希望を伝えるためのツールとして使われます。バースプランを作成することで、出産がよりスムーズに、そして自分たちの望む形で進められるようになります。

バースプランの目的

1. 出産に対する準備と計画

バースプランを作成する過程で、自分たちがどのような出産を望んでいるのかを具体的に考え、準備をすることができます。これにより、出産に対する不安が軽減され、自信を持って出産に臨むことができます。

2. 医療スタッフとのコミュニケーション

バースプランを通じて、医療スタッフに自分たちの希望を明確に伝えることができます。これにより、医療スタッフとのコミュニケーションが円滑になり、自分たちの希望に沿ったケアを受けることができます。

3. 出産に対する自分の意志を尊重

バースプランを作成することで、出産に対する自分の意志を明確にし、それを尊重することができます。これにより、出産がより自分らしい体験となります。

バースプランに含めるべき内容

1. 出産場所

  • 病院やクリニック、助産院、自宅出産など、希望する出産場所を記載します。

2. 出産に立ち会う人

  • パートナーや家族、友人など、出産に立ち会ってほしい人を明記します。また、誰にサポートしてもらいたいかも具体的に記載します。

3. 出産の方法

  • 自然分娩、帝王切開、無痛分娩、水中出産など、希望する出産の方法を記載します。また、可能であれば、どのような医療処置を希望するかも具体的に記載します。産院によっては対応できない分娩方法もありますが、希望を伝えることが大切です。希望の出産方法がまた、帝王切開や吸引分娩を避けたい場合は、その理由も添えて医療スタッフに伝えると良いでしょう。

「さまざまな出産方法」

  1. 自然分娩:医療介入をせずに行う経腟分娩です。基本的に医療介入は行いませんが、会陰切開などは行うことがあります。「フリースタイル出産」「ソフロロジー式分娩法」「ラマーズ法」「水中出産」なども自然分娩に含まれる出産方法です。
  2. 計画分娩:人工的に陣痛を誘発して行う分娩方法です。主に、陣痛誘発剤やバルーンなどを使って人工的に陣痛を誘発する方法を誘発分娩と呼び、正産期が過ぎても陣痛が起こらず妊娠の継続が難しい場合に用いられることが多い方法です。
  3. 計画無痛分娩:あらかじめ分娩する日(予定日)を決めて出産する方法です。予定日に陣痛促進剤を使って陣痛を起こし、人工的にお産を始めます。
  4. 無痛分娩:無痛分娩は、陣痛時に硬膜外麻酔を施し陣痛や分娩時の痛みを軽減させる分娩方法です。しかし、希望していても陣痛から分娩までの進行が早い場合、麻酔処置が間に合わないケースもあります。
  5. ソフロロジー式分娩:イメージトレーニングや呼吸法、エクササイズによって出産に対する意識を変え、リラックスして痛みを逃す分娩法です。
  6. ラマーズ法:痛みを逃しやすい呼吸方法を実践して分娩をスムーズに進める方法です。日本でも「ヒッ、ヒッ、フー」の呼吸方法が有名ですね。しかし、実際の陣痛時にパニックになり「いざ出産の時になると焦ってラマーズ法ができなかった」という人もいます。出産時に慌てず呼吸法を実践できるよう、母親学級や両親学級などでラマーズ法の練習を行うこともあります。
  7. フリースタイル分娩:自然のまま好きな体勢で出産する方法。立ったまま、座った状態、四つ這いなど、妊婦自身が楽にいきめる体勢で出産をします。姿勢によってベッドでの分娩が困難になるため、和室の分娩室を完備している産院などを選ぶのが良いでしょう。
  8. 自宅出産:自宅で助産師の介助を受けて行う出産を自宅出産と言います。助産院などに依頼して、陣痛が始まると共に助産師に自宅を訪問してもらって行う出産方法です。家族が立ち会いやすいほか、病院までの移動などの負担は小さいものの、妊娠経過に問題がなく経腟分娩可能と判断された人しか選ぶことができません。
  9. 水中出産:水の中で出産を行うことです。陣痛が始まったら水中出産用の浴槽に浸かり、36~37度のぬるま湯のなかで出産します。水中にいることで浮力がかかりリラックスしやすいため、痛みが和らぐ効果が期待されます。海外で人気の出産方法です。
  10. 帝王切開:母子いずれか、もしくは両方に何らかの問題があり経腟分娩が難しいとされる場合に行う手術です。麻酔を行って腹部と子宮を切開し、胎児を取り出します。逆子や双子、三つ子などの多胎児出産の際にも、帝王切開が行われます。事前に経腟分娩が難しいと判断された場合に予定して行う予定帝王切開と、経腟分娩中に何らかのトラブルが起こり緊急性を持って行われる緊急帝王切開があります。
  11. 吸引分娩:何らかの問題で陣痛が弱まり分娩が進まず、尚かつ胎児を迅速に娩出することが求められる場合に行う医療介入です。吸引分娩では赤ちゃんの頭に吸引カップを装着して、吸引圧をかけながら引っ張り分娩をサポートします。

参考/引用文献:https://sapporo-mirai.jp/column/shussan/2703/

4. 陣痛・分娩時のサポート

  • 陣痛時の痛みの管理方法についての希望を記載します。例えば、麻酔や鎮痛剤の使用、呼吸法やリラクゼーション法など、自分が希望する痛みの対処方法を明確にします。また、分娩中にどのようなサポートを希望するかを記載します。例えば、音楽を流す、マッサージを受ける、姿勢の変更など、自分が快適に感じる方法を具体的に記載します。

「陣痛時具体例」

  1. 陣痛の進捗を細かく教えて欲しい
  2. 次にどんな処置をするのか教えて欲しい
  3. アロマを焚きたい
  4. 好きな音楽を流したい
  5. 好きなドリンクを飲みたい
  6. 部屋を暗くしたい
  7. 立会がしたい
  8. この人は絶対に病院に入れないで欲しい
  9. ほめて欲しい
  10. 呼吸法を教えて欲しい

「分娩時具体例」

  1. いきみ逃し・いきみ方を教えて欲しい
  2. 優しい言葉をかけて欲しい、ほめて欲しい
  3. 会陰切開する時は教えて欲しい
  4. 会陰は裂ける前に切って欲しい
  5. テレビ電話を繋いで欲しい
  6. 生まれる瞬間を動画に撮りたい
  7. 産声を録音して欲しい
  8. 排泄物が立会する人に見えないようにして欲しい

5. 新生児ケア

出産後の新生児ケアについての希望を記載します。例えば、カンガルーケア(肌と肌の触れ合い)、母乳育児など、新生児に対するケアの方法を具体的に記載します。

  1. 臍の緒を切りたい
  2. 胎盤を見たい、触りたい
  3. カンガルーケアをしたい
  4. 赤ちゃんが体重計に乗った写真が撮りたい
  5. 生まれた直後に家族写真を撮りたい
  6. パパに最初に抱っこさせたい
  7. 初乳を早く上げたい
  8. テレビ電話がしたい

6. 入院中の生活

入院中の過ごし方についての希望を記載します。各施設によって面会や母子同室の時間が決まっていることもあると思うので、あらかじめ確認しておくといいですね。入院後の生活の流れを記載したパンフレットをもらえることもあるので、参照した上で、施設の職員と相談しましょう。

「具体例」

  1. 絶対に個室にして欲しい
  2. 母子同室がいい、1日目は別室がいい
  3. 夜間だけ赤ちゃんを預かって欲しい
  4. 母乳・混合・ミルクの方向性を相談したい
  5. 面会はしたい、したくない
  6. 育児指導をきちんと受けたい
  7. 育児指導を夫にも受けさせたい
  8. 赤ちゃんとの過ごし方を教えて欲しい
  9. 痛み止めを使いたい
  10. 入院中はなるべく寝たい
  11. 沐浴練習を夫婦で受けたい

7.緊急時の対応

緊急時の対応についての希望を記載します。例えば、緊急帝王切開が必要になった場合の対応や、医療処置についての希望を具体的に記載します。

「具体例」

  1. 手術になった時も生まれたら近くで顔を見たい
  2. 生まれたての写真を撮ってほしい
  3. 縫合はなるべく傷が目立たないようにしてほしい

バースプランの作成方法

ステップ1: 情報収集

まず、出産についての情報を収集します。自分が希望する出産方法やケアについて詳しく調べ、医療スタッフや他の妊婦さんからのアドバイスを参考にします。

ステップ2: 自分の希望を明確にする

情報をもとに、自分がどのような出産を望んでいるのかを具体的に考えます。出産場所、出産方法、痛みの管理方法、分娩中のサポート、新生児ケアなど、自分の希望を明確にします。

ステップ3: 医療スタッフとの相談

バースプランを作成したら、医療スタッフと相談します。自分の希望を伝え、医療スタッフからのアドバイスや提案を受けます。また、出産施設の方針やルールについても確認します。

ステップ4: バースプランの完成

医療スタッフとの相談をもとに、最終的なバースプランを完成させます。具体的な希望や要望を明記し、出産に向けて準備を整えます。

※チェックリストがあった方が考えをまとめやすいと言う方はこちらのサイトを利用してみてください♪

バースプランの注意点

柔軟性を持つ

バースプランは、あくまで希望や要望を伝えるためのものです。出産は予期しないことが起こる可能性があるため、柔軟性を持って対応することが大切です。医療スタッフの判断や緊急時の対応に対しても、理解と協力が必要です。

医療スタッフとの連携

バースプランは、医療スタッフとの連携が重要です。自分の希望を伝えるだけでなく、医療スタッフの意見やアドバイスを受け入れる姿勢も大切です。信頼関係を築くことで、より良い出産体験を実現できます。

まとめ

バースプランは、出産に対する希望や要望をまとめた計画書であり、出産をより自分らしい体験にするための重要なツールです。出産に対する準備や医療スタッフとのコミュニケーションを円滑にするために、バースプランを作成することをお勧めします。

出産場所、出産方法、痛みの管理、分娩中のサポート、新生児ケアなど、自分の希望を明確にし、医療スタッフと連携して出産に臨みましょう。柔軟性を持ちながら、自分の意志を尊重し、安心して出産を迎えることができるよう、バースプランを活用してください。

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