妊娠初期の食事について知ろう!

食事・運動

はじめに

妊娠は女性にとって非常に特別で重要な時期です。体内で新しい命が育つこの時期には、特に栄養摂取が重要となります。

妊婦さんにとって適切な食事を心掛けることで、母体はもちろん、胎児の健やかな成長をサポートすることができます。

しかし、何を食べるべきか、避けるべきか、どのサプリメントが必要かなど、多くの疑問が湧いてくるのも事実です。

実際つわりで食べられなかったり、逆に食べづわりで食べ過ぎたり、作るのが面倒なこともしばしばありますよね(笑)

無理のない範囲で赤ちゃんに必要な栄養を摂取しながら、また避けるべきものは控え、頑張れるといいと思います。

本記事では「妊婦に適した食事の基本知識」、「妊娠初期おいて必要な栄養管理方法や注意すべき点」について詳しく解説します。中期、後期についてや妊娠糖尿病やアレルギー、双子妊娠といった特別な状況における食事管理方法については別記事にまとめる予定です。

これから母親となるプレママさんたちが安心して妊娠期間を過ごせるように、さまざまな角度から役立つ情報をお届けします。一緒に勉強していきましょう!!

では早速、具体的にどのような栄養素を意識し、何に注意するべきかを詳しく見ていきます。

妊婦に適した食事の基本知識

妊婦に適した食事は、母体と赤ちゃんの健康を確保するために非常に重要です。適切な栄養素をバランスよく摂取することで、健康な妊娠を維持し、赤ちゃんの成長をサポートすることができます。ここでは基本的な栄養素の必要性や避けるべき食品、さらにはサプリメントについて解説します。

妊婦の栄養素の必要性

妊婦は通常の女性よりも多くの栄養素が必要です。例えば、蛋白質は新しい細胞の生成に不可欠であり、カルシウムは赤ちゃんの骨や歯の発育を助けます。鉄分も血液を通じて酸素を運ぶために重要です。さらに、葉酸は胎児の神経管閉鎖障害のリスクを軽減するために必要なビタミンです。

妊婦に避けるべき食品

妊婦が食品によるリスクを最小限に抑えるためには、以下の食品を避けるか、摂取量を制限することが重要です。

1.生魚や未加工の肉

リステリア症のリスクがあるため避けるべきです。完全に火を通したものを選びましょう。特に寿司や刺身、生ハム、レアステーキなどは避けるべきです。

2.高レベルの水銀を含む魚

水銀は胎児の神経系に悪影響を及ぼす可能性があります。

妊婦が水銀を含む魚を摂取する際の目安は以下の通りです。

高水銀含有魚:キンメダイ、メカジキ、クロマグロ(本マグロ)、メバチ(メバチマグロ)、エッチュウバイガイ、ツチクジラ、マッコウクジラなどは、1回約80g(刺身1人前または切り身1切れ)として、週に1回まで(1週間当たり80g程度)に制限することが推奨されます。

中水銀含有魚:キダイ、マカジキ、ユメカサゴ、ミナミマグロ、ヨシキリザメ、イシイルカ、クロムツなどは、1回約80gとして、週に2回まで(1週間当たり160g程度)に制限することが推奨されます。

低水銀含有魚:キハダ、ビンナガ、メジマグロ、ツナ缶、サケ、アジ、サバ、イワシ、サンマ、タイ、ブリ、カツオなどは、特に制限なく摂取しても問題ありません。

厚生労働省

3.アルコール

妊娠中のアルコール摂取は胎児に深刻な影響を与える可能性があるため、完全に避けることが望ましいです。

4.カフェイン

カフェインの過剰摂取は流産や低出生体重のリスクを高める可能性があります。1日の摂取量は200mg以下(コーヒー約1〜2杯分)に抑えることが推奨されます。

これらを守ることで、妊娠中のリスクを最小限に抑え、母体と胎児の健康を守ることができます。食事に関して不安がある場合は、医師や栄養士に相談することをお勧めします。

厚生労働省 mhlw.go.jp

妊婦のためのサプリメント

妊娠中に必要な栄養素を十分に摂取するのは難しい場合があるため、サプリメントを利用することが有効です。葉酸サプリメントは特に重要で、妊娠前から摂取することが推奨されています。また、鉄分やカルシウムのサプリメントも、必要に応じて摂取するのが良いでしょう。しかし、複数のサプリを併用すると、成分が重複してしまうこともあるので、医師に確認してから摂取するのが望ましいです。購入するときに成分表を見てみるのもいいですね。

妊娠初期の食事

妊娠初期は特に重要で、赤ちゃんの成長と発達が急速に進む時期です。この期間はつわりや食欲不振が発生しやすいため、食事に対する工夫が必要です。ここでは、つわり対策や重要な栄養素について解説します。

つわりを乗り越える食材選び

つわりは妊娠初期に多くの女性が経験する症状で、食欲不振や吐き気を引き起こします。つわりを少しでも和らげるためには、食材選びが重要です。つわりを乗り越えるための食材選びのポイントをまとめました。

1.消化に良い食材を選ぶ

つわりの時期は消化が遅くなることが多いため、消化に良い食材を選びましょう。例えば、白米やうどん、ジャガイモなどの炭水化物は消化が良く、胃に優しいです。バナナ、ジャガイモ、クラッカーなどは口当たりが良く、エネルギー供給源としても優れています。

2.小分けにして食べる

一度に大量に食べると吐き気が増すことがあります。少量ずつ、頻繁に食べることで胃の負担を軽減できます。スナックとして、クラッカーやナッツ、フルーツなどを用意しておくと便利です。

3.冷たい食べ物や飲み物

冷たい食べ物や飲み物は吐き気を和らげる効果があります。冷たいスムージーやアイスクリーム、冷やしたフルーツなどを試してみてください。

4.香りの強くない食材

つわりの時期は香りに敏感になることが多いです。香りの強い食材や料理は避け、シンプルな味付けのものを選びましょう。例えば、蒸し野菜やシンプルなスープなどが良いでしょう。

5.タンパク質を摂る

タンパク質は体力を維持するために重要です。豆腐や鶏肉、魚などの消化に良いタンパク質を摂るように心がけましょう。

他にも、レモンやショウガを取り入れることで、つわりの症状を緩和する効果も期待できると言われています。私も寝る前に生姜湯にレモンを入れて飲んだりしていました。

つわりは個人差が大きい症状ですが、自分に合った食材を見つけることで少しでも快適に過ごせるようになります。無理をせず、自分の体と相談しながら食材を選んでください。

葉酸の重要性と摂取方法

葉酸は妊娠前から意識的に摂取する必要がある、妊娠中の最も重要なビタミンの一つです。その理由には以下が挙げられます。

神経管閉鎖障害の予防:妊娠初期に葉酸を摂ることで、赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを低減できます。

貧血予防:妊娠中は血液量が増えるため、葉酸は赤血球の生成に必要です。

生活習慣病の予防:葉酸はホモシステインの濃度を下げ、生活習慣病のリスクを軽減します。

※ホモシステインは、必須アミノであるメチオニンの代謝における中間生成物です。この物質は血管を老化させる要因とされ、動脈硬化や心疾患のリスクを高めることが知られています。ホモシステインの代謝には、葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12が関与しています。ホモシステインの基準値は、血液検査で測定され、通常は6μmol/L未満です。葉酸やビタミンB群を摂取することで、ホモシステインの代謝を促進し、動脈硬化のリスクを低減できます。

葉酸を含む食品には以下があります。

植物性食品:海藻類、お茶、ほうれん草、アスパラガス、ブロッコリー、レタス、納豆など。

動物性食品:干しさくらえび、鶏卵、肝臓(鶏、牛、豚)など。

成人女性の1日の葉酸の摂取目安量は240µgです。妊娠初期には、普段の食事からの葉酸摂取に加え、400µgの葉酸をサプリメントから摂取することが推奨されています。

※特に妊娠1ヶ月前~妊娠3ヶ月は、十分な量の葉酸を摂取することで、赤ちゃんの神経管閉鎖障害の発症リスクを低下させる大事な時期です。妊活をはじめたら妊娠1ヶ月前と考え、葉酸を必要量摂取すると良いでしょう。

中期・後期では2020年度版「日本人の食事摂取基準」には、成人の推奨摂取量一日240㎍に加えて240㎍の摂取が求められています。

いずれも必要量全てを食品から摂取することはなかなか難しいため、市販の葉酸サプリメントを利用することをお勧めします。

葉酸を摂取できる具体的なレシピはまた後日まとめるのでそちらをチェックしてみてください。

水分補給

妊娠初期には適切な水分補給が特に重要です。理由はいくつかあります。

1. 羊水の維持:羊水は胎児を保護し、成長を支える重要な役割を果たします。適切な水分摂取は羊水の質と量を維持するために必要です。

2. 血液量の増加:妊娠中は母体の血液量が増加し、胎児に酸素や栄養を供給します。十分な水分がないと、血液の循環が悪くなり、母体と胎児の健康に影響を及ぼす可能性があります。

3. 代謝の向上:妊娠中は基礎代謝が上がり、体がより多くの水分を必要とします。特に汗をかきやすくなるため、こまめな水分補給が必要です。

4. 便秘の予防:妊娠中はホルモンの変化や子宮の圧迫により便秘になりやすくなります。適切な水分摂取は腸の動きを助け、便秘の緩和に役立ちます。

これらの理由から、妊娠初期には特に意識して水分を摂取することが重要です。1日に約2リットルの水分を目安に、こまめに摂取するよう心がけましょう。

水の他に、電解質を補給できるスポーツドリンクや、ビタミンCが含まれる果実ジュースも良いですが、健康な血糖値を維持のため糖分などの取りすぎに注意が必要です。また、カフェインが含まれる飲み物は控えるようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか?本記事では、

★適切な栄養摂取が母体と胎児の健康に不可欠であること

★妊婦さんの食事に関する基本知識と妊娠初期の栄養管理

についてお伝えしました。

ポイントを守ることで、妊娠中のリスクを最小限に抑え、母体と胎児の健康を守ることができます。食事に関して不安がある場合は、医師や栄養士に相談することをお勧めします。たくさん制限もありストレスが溜まることもあるかもしれませんが、赤ちゃんのためにできることを行いつつ、食事も楽しめるといいですね。

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